2022年07月07日

【質問】結石の破砕治療は何回受けても大丈夫ですか?

腎臓にできた結石が尿管に下りてきたため、2001年と2007年に破砕治療を受けました。 腎臓にはまだ結石が残っており、腎臓外に出て留まっている結石も1つあるとのことです。 今のところ心配はないと言われていますが、少しずつ大きくなり、また破砕しなければならない日が来るのではないかと思っています。 破砕治療は、繰り返し受けても大丈夫なのでしょうか?また残ったままの結石の周囲の菌や破砕治療の繰り返しによる傷などが原因で、 癌になったりすることはないのでしょうか。






腎臓、尿管、膀胱にある結石が「尿路結石」です。 このうち、腎臓あるいは尿管の結石は「上部尿路結石」と呼ばれ、全体の90%以上を占めています。 大きさが10mm未満の上部尿路結石では自然排石が期待できるため、水分を多く摂取し尿を増やすことによって排石を促す保存的治療が推奨されています。 しかし、10mm以上の結石では、自然排石の可能性が低くなるため、体外衝撃波結石破砕術(身体の外から衝撃波を当てて砕く治療) や内視鏡による結石砕石が行われます。また、結石の大きさだけではなく、 水腎症(作られた尿が腎臓に停滞する状態)や 尿路感染が合併する場合にも、前述のような積極的治療の対象となります。

体外衝撃波による結石破砕治療では、結石を砕くほどの強い衝撃が結石及び周囲の臓器に加わります。 このため、稀ではありますが、「腎被膜下血腫」「腎破裂」といった早期合併症を生じることがあります。 また、晩期合併症(時間が経過してから発症する合併症)として、腎臓の血管損傷による腎機能障害が知られています。 この障害の程度は、衝撃波の強さや衝撃波数に比例すると言われており、衝撃波の強度や数に注意する必要があります。 さらに腎結石の場合、治療間隔を空けておく方がよいとされています。 最低でも3日程度の間隔を開けることが大切である反面、2週間以上の間隔は必要ないとガイドラインで示されています。

ご質問の、破砕治療回数についてですが、繰り返し受けることに大きな問題はありません。 ただし、体外衝撃波結石破砕術による早期及び晩期合併症が生じることがあるため、 これらを防ぐには前述のように衝撃波の強度、衝撃波数及び治療期間に配慮する必要があります。 体外衝撃波結石破砕術実施医療機関で相談されることが望ましいでしょう。 また、結石に生着している細菌や破砕治療による悪性腫瘍の発生はほとんど報告がなく、その可能性は低いと思われます。 しかし、結石が長期間にわたり存在する場合、 「腎盂癌」の発症を示す報告が散見されるため、結石治療は必要と思われます。 以上から、尿路結石に関して泌尿器科にご相談されることをお勧めします。

(この答えは、2017年4月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)




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2022年07月06日

【質問】「慢性膀胱炎」は症状がなければ、治療しなくても大丈夫ですか?

若い頃に時々、「膀胱炎」になっていました。 7年前から2年間は頻繁に膀胱炎になり、造影剤を使用したエックス線検査や膀胱鏡検査も受けましたが、特に異常はありませんでした。 昨年になって、膀胱炎のような症状が出たので近所のクリニックを受診し、「フロモックス」を4日間飲み、症状がなくりました。 しかし、9月に受けた尿検査で白血球が増えていることがわかり、「慢性膀胱炎になっている。痛みや出血があったら受診するように」と言われました。 それまでは、特に治療しなくてもよいのでしょうか。
●80歳・女性






【答】

女性だったら、「膀胱炎」を経験したことがないという人の方が少ないでしょう。 女性では体の構造から、「急性膀胱炎」が非常に身近な病気であることが知られています。 男性の尿道が約20cmあるのに対して女性の尿道は3〜4cmの長さしかなく、外尿道口が膣口や肛門に近い位置にあるため、 細菌が皮膚から尿道を通って膀胱に入りやすいのです。原因となる細菌の過半数は大腸菌です。 通常は多少の細菌が入っても体の抵抗力があり、排尿で洗い流され、膀胱炎を起こさずに済みますが、 過労や冷え、尿の極端な我慢のし過ぎがきっかけになって細菌が増殖すると、排尿痛、頻尿、残尿感、尿混濁、血尿などの症状が起こってきます。

急性膀胱炎の発症には年齢的に2つの山があります。 1つは若いときで、性交渉の開始などがきっかけになり、「新婚(ハネムーン)膀胱炎」という言葉があります。 性交渉の後は必ず排尿してから眠りに就くようにという助言は、尿道に入った細菌を排尿で洗い流す意味があります。もう1つの山が老年期の女性です。 若いころに時々膀胱炎になり、老年期に入ってまた数年頻繁に繰り返したという経過はよくあるものです。 膀胱炎症状を繰り返すときには、 「尿路結石」「膀胱癌」などの疾患が隠れていないか調べる必要があります。 排泄性腎盂造影(造影剤を注射して尿路を調べるエックス線検査)、膀胱鏡検査をきちんとされたのは安心でよかったと思います。

今回、膀胱炎症状が抗菌薬の内服でよくなったのに、その後の尿検査で白血球が多く出ていたのには、2つの原因が考えられます。 1つは老年期で膀胱の収縮力が低下し、残尿があるという状況です。排尿した後に尿が残っていると、膀胱内で細菌の増殖が継続しやすくなります。 もう1つは、尿の採り方の問題です。外尿道口を消毒し、管を入れて膀胱内の尿を摂れば正確ですが、痛みを伴うので、通常はカップで尿を採ってもらいます。 女性の場合は尿が膣口に触れ、白血球や細菌が混入することがしばしばあります。 いずれにせよ、抗菌薬を長期使用するのは、耐菌性の発生という点で望ましくないので、一定の検査が済んでいれば、 痛みや出血があったら受診するという現在の方針でよいと思います。

(この答えは、2017年4月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)




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2022年07月05日

【質問】たびたび「膀胱炎」になります

たびたび「膀胱炎」になり、困っています。 普段から気を付けているつもりなのですが、冷えたりするとすぐ膀胱炎になってしまい、 結局お医者さんに通うことになってしまいます。どうしたら膀胱炎の再発を防ぐことができるのでしょうか。 完全に治すことはできないものでしょうか。
●60歳代・女性






【答】

「膀胱炎」は、 膀胱の粘膜に細菌が感染して起こる炎症で、ほとんどの女性が一度は感染するといわれます。 膀胱炎を起こすのは、大腸菌・腸球菌・ブドウ球菌など、体に棲み着いている細菌です。 女性の尿道は男性より短く、膣や肛門に近いため、こうした細菌が膀胱に侵入しやすいと考えられます。 排尿すれば細菌も排出されますが、排尿を我慢すると細菌が増え過ぎてしまいます。 さらに気候や環境の変化、月経などによる体調の変化、 心身のストレスなどが膀胱炎の引き金になります。

多くの膀胱炎は「急性単純性膀胱炎」で、膀胱や尿道には特別問題がありません。 性的活動のある年齢層の方に多く、トイレが近い・排尿時にしみる・血尿が出る・排尿後スッキリしない、といった症状が急激に起こりますが、 通常は抗生物質を3日程度内服すると治ります。 これに対し、体に何らかの問題があって起こるのが「慢性複雑性膀胱炎」です。 問題となるものとしては、排尿機能の異常(糖尿病、脳血管障害、脊髄障害など)、加齢による変化、 「結石」 「膀胱癌」大腸や子宮の疾患などが挙げられます。 慢性複雑性膀胱炎に対しては抗生物質を7〜14日間使いますが、問題となる基礎疾患への対策も必要となります。 なお、高齢者では、尿中に細菌がいても無症状で問題がないこともあります。

膀胱炎の予防には、@水分を多めに摂り、こまめに排尿する、A過労を避け、体を冷やさない (温浴や足浴も効果的)、 B排便後に尿道付近を汚さないようにする、C生理用シートなどは不潔にならないようにこまめに交換する、D性交後には排尿する習慣をつける、などが大切です。 シャワートイレは衛生的で便利ですが、洗い過ぎると粘膜に炎症を起こして逆効果になることがあります。

膀胱炎と症状が似ている病気に 「過活動膀胱」があります。 細菌感染がないのに尿意を我慢できない、トイレに間に合わない、といった症状が起こります。 きちんと診断がつけば、治療効果の優れた薬があります。 また、強い痛みと血尿を生じる場合は、治療の難しい「間質性膀胱炎」の可能性もあり、泌尿器科専門医による診断と治療が必要です。

ご質問者のように、膀胱炎を繰り返す場合には、基礎疾患や他の病気を見逃さないためにも、泌尿器科専門医に相談することをお勧めします。

(この答えは、2014年4月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)




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2022年07月02日

【質問】肌に合う保湿剤がなくて困っています

4年ほど前、急に何年も使っていた基礎化粧品で肌にかゆみが出るようになりました。 皮膚科で相談すると「何ももつけなくていい」と言われましたが、何もつけないと肌が乾燥するので、プロペトを処方してもらいました。 今はサンホワイトを使っていますが、夏場はかゆみが出てきます。肌に合う保湿剤が商品化されていない場合、どうすればよいでしょうか。
●70歳代・女性






【答】

保湿剤を使って皮膚の潤いを保つことは、ほこりや花粉などアレルギーの原因になる物質や、シミやシワの原因になる紫外線や乾燥など、 さまざまな外的刺激から皮膚を守るために、最も大切なスキンケア(皮膚の手入れ)の一つです。 ただ、敏感肌の場合は保湿剤そのものが刺激になることがあり、ご自分に合った保湿剤を選ぶことに苦労される方もいらっしゃいます。
ご質問者がお使いのプロペトやサンホワイトは、一般的には白色ワセリンと呼ばれ、油性の保湿剤の中では不純物を取り除いた精製度の高いものです。 白色ワセリンは皮膚の表面を油性の膜で覆って、皮膚からの水分の蒸散を防ぐ作用で、乾燥から皮膚を守ります。 プロペトはアレルギー検査の時に無刺激の薬として使用されるものですが、稀に刺激を感じる方もいらっしゃいます。
白色ワセリン以外の保湿成分としては、セラミド、 ヒアルロン酸スクワランなどが化粧品として使われています。 また、処方薬にヘパリン類似物質があります。 いずれにしても、新しく保湿剤や化粧品を使用するときは、5日間程度使用できる試供品などを入手して、まずは顔の一部分で試してみることが大切です。 そして、刺激感や発疹が生じないことを確認してから、顔全体に使用するようにしましょう。 夏場にかゆみや赤みなどの症状が出る場合は、@汗の刺激で肌荒れが生じている、Aエアコンの使用で乾燥肌になっている、 B汗を流そうとしてゴシゴシと洗いすぎている、C逆に洗顔が不十分で汗の汚れや日焼け止めなどが肌に残っている、 D保湿剤で肌がべたつくことが不快で使用量が肌を守るには不十分であるなど、さまざまな原因が考えられます。 今一度、洗顔などのスキンケアを見直し、部屋の湿度管理にも気を配りましょう。 肌を守るためには、夏でも十分な量の保湿剤を使用することをお勧めします。

(この答えは、2020年6月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)




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2022年07月01日

【質問】丹毒について教えてください

5年ほど前、右側の顎が全体が赤くなりました。内科で「丹毒」と診断され、カロナール、メイアクトMS、クラリチンを服用しました。 それ以降、頭部や耳の周囲に赤いブツブツができてかゆく、最近は背中、手、腕なども痒い感じがします。 皮膚科では「丹毒ではない」と言われました。丹毒とはどんな病気なのでしょうか。
●71歳・女性






【答】

急に顔が赤くなったり、腫れたりする病気はたくさんあります。 例えば、感染症であれば丹毒、蜂窩織炎、 伝染性膿痂疹帯状疱疹など、 感染症以外では 血管神経浮腫や接触皮膚炎など、また、稀ですが、 膠原病やリンパ増殖疾患などもあります。
ご質問者は、最初の受診の時に「丹毒」と診断されたとのことですが、丹毒発症の初期は特徴に乏しく、診断を確定するのが困難なことも少なくありません それでは、丹毒とはどんな病気なのでしょうか。 丹毒は、皮膚・軟部組織の細菌感染症です。代表的な皮膚・軟部組織の細菌感染症には丹毒と蜂窩織炎がありますが、両者の違いは原因菌と炎症の深さです。 丹毒の主な原因は溶連菌で、蜂窩織炎の主な原因菌は黄色ブドウ球菌です。 また、丹毒の炎症は真皮が中心で浅いのに対して、蜂窩織炎の炎症は皮下脂肪組織が中心で深いのが特徴です。 どちらも赤く腫れて、触ると熱感があり、発熱などの全身症状も伴いますから、区別が難しいことも多いです。 しいて言えば、丹毒は炎症が浅いので、赤くなった部分の境界が比較的はっきりしています。 丹毒は、顔や脛の片側にみられることが多いので、ご質問者の場合も丹毒の可能性はあったかもしれません。 丹毒かどうかは、培養で溶連菌が検出されるかどうかや、血液検査でASO(抗ストレスプトリジン-O)価が上昇しているかどうかなどで診断されます。 丹毒の治療は、溶連菌に効果がある抗菌薬を内服するのが一般的です。 ご質問者が内服されたメイアクトMSはセフェム系の抗菌薬で、皮膚の感染症に用いられます。 溶連菌感染では、他にペニシリン系の抗菌薬がよく用いられます。発熱や痛みなど全身症状が強い場合は、入院して治療を行うこともあります。 溶連菌は腎炎を引き起こすことがあるので、注意が必要です。また、丹毒は同じところに繰り返し生じることがあるので、しっかり治療することが大事です。

(この答えは、2019年11月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)




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2022年06月30日

【質問】「酒さ」の再発を繰り返しています

20年ほど前から顔にブツブツができて悩んでいます。皮膚科で「酒さ」と診断されました。 ビブラマイシンを内服すると3週間ほどでよくなりますが、服用を中止すると、またブツブツができてきます。 再発しないようにするにはどうすればよいでしょうか。
●60歳代・女性






【答】

「酒さ」は、主に中高年の顔面に生じる慢性炎症性症候群です。 いわゆる赤ら顔になる「紅斑毛細血管拡張型酒さ」、赤ら顔の上にニキビのようなブツブツができる「丘疹嚢胞型酒さ」、 鼻が瘤のように大きくなる「鼻瘤」の3種類に分けられます。 ”酒さ”という文字から”大酒豪”をイメージする方もいるかもしれませんが、飲酒は悪化因子の一つに過ぎず、お酒を飲まない人でも酒さになります。 治療法は症状によって異なります。ご質問者の場合は、症状から丘疹嚢胞型酒さだと思われ、この場合はドキシサイクリン(ビブラマイシン)などの テトラサイクリン系の抗生物質の内服が有効です。ただし、抗生物質を中止すると再発することが多く、抗生物質の長期投与が問題となることがあります。 紅斑毛細血管拡張型酒さの場合は、赤あざ用のレーザーを使った治療がありますが、再発することもあります。 また、鼻瘤の場合は、炎症があれば抗生物質の飲み薬を使い、鼻が隆起している場合は炭酸ガスレーザー(レーザーメス)などを用いた治療を行います。 なお、酒さに対するレーザー治療は健康保険の適用外です。

酒さの症状を悪化させる因子には、紫外線、外気温の急激な変化、 刺激のある食べ物やアルコールの摂取などがあります。 日常生活ではこれらをできるだけ避けるようにしましょう。 また、適切な日焼け止め(サンスクリーン剤)や、低刺激性の洗顔料、保湿ケア製品などを使用して、病変部への刺激を減らすことも大切です。 丘疹嚢胞型酒さに対して、海外にはいろいろな塗り薬がありますが、日本で入手可能なものはアゼライン酸含有の化粧品です。 アゼライン酸含有化粧品を使いながら、ドキシサイクリンを内服し、内服中止後も塗り薬を継続することで再発を予防することができますが、 なかには抗生物質がやめられない方もいます。治療の目標は、快適な生活を送れるようにすることですので、症状がある程度改善したら、 顔の赤みはメイクでカバーするすることをお勧めする場合もあります。

(この答えは、2019年10月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)




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2022年06月29日

【質問】お尻にも水虫ができるの?

10〜15年前より腰からお尻にかけてヘルペスができ、2〜3ヵ月に1度、疲れると腫れて痛むので病院に通っていました。 1〜2年前よりかゆみがひどくなり、ある病院では寝込んでもいないのに床ずれと言われ、別の病院では水虫の一種(白癬菌)と言われました。 以前処方されたデルモペート軟膏やヒルドイドクリームをつけると余計に広がり、今はニゾラールクリームで少し治まっています。 お尻にも水虫はできるのですか?






【答】

まず、ヘルペスについて説明します。ヘルペスとは「単純ヘルペスウイルス」の感染によって、 皮膚や粘膜に小さな水疱(水膨れ9ができる病気です。 ヘルペスウイルスは一度感染すると、症状が治まった後も体内に住み続ける性質があります。 そのため、疲れが溜まるなど抵抗力が低下するとウィルスが活性化して再発を繰り返します。 単純ヘルペスウイルスには、1型と2型の2種類があります。お尻など主に下半身に感染するのは2型であることが多く、 これは唇など主に顔面に感染する1型と比べると再発しやすいとされています。 治療では、抗ヘルペスウイルス薬を使い、病状に合わせて飲み薬、塗り薬、点滴を使い分けます。再発を頻繁に繰り返す場合は、予防投与といって、 症状が出ていない時も一定量の抗ヘルペスウイルス薬を毎日内服し続ける治療(再発抑制治療)が行われることもあります。

次に水虫ですが、これは「白癬菌」というカビ(真菌)の一種が皮膚の角質に感染することで起きます。 白癬菌は頭から足まで全身の皮膚に感染します。 特に足に感染したものを水虫と呼び、お尻などに感染したものは「体部白癬」と呼ばれます。 体部白癬の主な症状は赤い円状の発疹で、かゆみを伴うこともあります。 白癬菌は湿度の高いところを好むので、お尻は白癬菌が感染しやすい部位の一つだといえます。 体部白癬の治療には、抗真菌薬の塗り薬を使います。薬を使い始めると症状は2週間ほどでよくなってきますが、 この時点ではまだ角質に白癬菌が潜んでいる可能性があるので、新陳代謝によって角質が入れ替わるまでは薬を塗り続けることが必要です。 一般的には2ヵ月くらい治療すれば完治します。ただし、水虫や足の爪に白癬菌が感染する「爪白癬」があると、 体部白癬を繰り返しやすくなるので、水虫や爪白癬がある場合はその治療も必要です。

ご質問者のケースは、長年ヘルペスの再発を繰り返していたところに、白癬菌が感染したのではないかと思われます。 白癬菌は多くの場合、まず足に感染し、次にほかの部位に広がっていきます。 したがって、足や爪の白癬があるか否かをきちんと検査し、そちらの対策を立てることも大切です。 ヘルペスと白癬の治療は同時に行っても全く問題ありません。

(この答えは、2018年2月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)




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2022年06月28日

【質問】蕁麻疹(じんましん)が毎日でます

「蕁麻疹」でアレジオン錠とタリオン錠、また、アレルギー性鼻炎でザイザル錠を服用しています。 3ヵ月ほど前から蕁麻疹が悪くなり、毎日出るようになりました。特に夜間に出やすく、眠れない日々が続いています。 プレドニンの服用を始めましたが、効果がないので増量するかどうか検討しています。 ステロイドの副作用と蕁麻疹の重症化について、どのように考えたらよいでしょうか。






【答】

「蕁麻疹」は、皮膚に突然赤いふくらみが現れては消える病気で、多くはかゆみを伴います。 特定の食べ物や薬を摂ったとき、あるいは、皮膚をこすったり冷たいものに触れたりしたときなどに現れるものは、「刺激誘発型の蕁麻疹」と呼ばれます。 特定の食べ物や薬と関連して症状が現れる場合は アレルギー性の可能性が高いので、 皮膚テストや血液検査を行って原因となる物質を確定することが大切です。 一方、明らかな原因がないのに症状を繰り返すものは、「特発性の蕁麻疹」と呼ばれ、蕁麻疹の患者さんの多くはこのタイプです。 細菌やウイルスの感染、疲労、 ストレスなどが発症の引き金となったり、症状を悪化させたりすることが多く、 一日の中では夕方から夜、または明け方にかけて悪くなりやすいことが特徴です。 多くの場合、決定的な原因が見つかることはないので、血液や内臓の検査を行う意義はありません。 また、発症して1か月以上症状が続いている特発性の蕁麻疹は「慢性蕁麻疹」と呼ばれ、 長期にわたって症状を繰り返すことが多くなります。

いずれの蕁麻疹も「マスト細胞」と呼ばれる細胞が活性化され、 ヒスタミンなどのアレルギー症状を起こす物質が皮膚の中に放出されることにより症状が起こります。 そのため、治療では症状を悪化させる因子があればそれらを取り除きつつ、ヒスタミンの作用を抑える抗ヒスタミン薬を基本とする薬物治療を行います。 それらの治療により改善すれば、その後は徐々に薬の量を減らして治癒を目指します。 アレジオン錠、タリオン錠、ザイザル錠はいずれも抗ヒスタミン薬に含まれます。 抗ヒスタミン薬で症状が消失しない場合は、抗ヒスタミン薬の種類の変更、増量、追加などを行い、必要に応じて補助的な薬を併用します。 ご質問にあるステロイド(プレドニン)は、重症、または難治性の特発性の蕁麻疹に使われることがありますが、 長期間使用すると様々な副作用が現れやすくなるので、1ヵ月以上使用して減量、中止の目途が立たない場合は、他の薬への切り替えが勧められます。 最近、新たな蕁麻疹の薬が健康保険で認められ、ご質問者のような難治性蕁麻疹に効果が期待されています。 皮膚科専門医、またはアレルギー専門医を受診して相談されるとよいでしょう。

(この答えは、2018年2月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)




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2022年06月27日

【質問】【質問】乾皮症でからだのあちこちに湿疹ができています

夫(85歳)は、昨年末より「乾皮症」で左脚のあちこちに湿疹ができ、近頃は左手や背中にも広がって、皮膚が捲れて出血します。 左脚の前面の湿疹は大きな小判形になっています。皮膚科で処方されたヒルドイドソフト軟膏を塗っていますが一向に治りません。 どうすればよいですか。なお、夫は糖尿病があります。






【答】

ご質問者の症状は、皮脂の減少によって皮膚が乾燥した「乾皮症」が悪化して湿疹になった「皮脂欠乏性湿疹」と思われます。 ご高齢の方の皮膚のトラブルとして最も頻度が高いものです。特に気温、湿度が低下する冬には、発汗や皮脂の分泌量が低下するうえ、 暖房器具の使用により肌がさらに乾燥するので、症状が悪化しやすくなります。 皮膚の乾燥は高齢者に多く見られますが、糖尿病のある人ではかゆみや乾燥がさらに強くなる傾向があります。 かゆみが強いためにかくと、ひっかき傷ができてその部分が湿疹になりやすくなります。 ひっかき傷により線状の傷痕ができた場合には「掻皮性湿疹」、コインのように湿疹の形が丸くなった場合は「貨幣状湿疹」と呼ぶこともあります。
ご使用中のヒルドイドソフト軟膏は、保湿剤の一種ですが、湿疹ができた場合にはこのような保湿剤を外用するだけでは効果が不十分です。 湿疹の部分には比較的強めのステロイド外用薬を1日1〜2回、適量を塗りましょう。 乾燥だけの部分にはステロイド外用薬を塗った上に保湿剤を重ね塗りすることもできます。 また、かゆみが強い場合には抗ヒスタミン薬というかゆみ止めの内服液を、 不眠症もある場合には睡眠薬などの内服薬を追加することでかゆみを和らげることができるので、皮膚科で相談されるとよいでしょう。 生活上の注意として、暖房器具は部屋全体を温めるものにし、加湿器などで室内の湿度を上げましょう。 入浴は短めに、或いは隔日にして、石鹸の使用量もできるだけ少なくして皮脂が流れ出ることを防ぎます。 入浴後は保湿剤を必ず塗りましょう。乾燥症状がひどい場合は皮膚を保護する作用の強いワセリンやオイルなどのベタつくタイプの保湿剤を、 乾燥症状が軽い場合はクリームや乳液などさっぱりしたタイプの保湿剤がお勧めです。 また、体温が上がるとかゆみを感じやすくなるので、肌着はできるだけ木綿でできたものにし、体を温かくし過ぎないことが大切です。 かゆみが強い場合は、タオルで巻いた保冷剤をかゆみのある部位の皮膚に押し当てるとよいでしょう。 皮膚の温度を下げることで、かゆみやひっかき行動を一時的に落ち着かせることができます。

(この答えは、2018年5月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)




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2022年06月26日

【質問】下肢の血管が瘤のように膨らんでいます

母(80歳)の下肢の血管が瘤のように膨らんでいます。この血管が詰まるなど最悪の事態を避けるために、手術を受けた方がよいでしょうか。 また、日常生活で気を付けることがあれば教えてください。






【答】

お母さまの下肢の症状は、おそらく「下肢静脈瘤」によるものだと思います。 下肢静脈瘤は良性の病気で、下肢の表面から見える血管(表在静脈)が詰まったり、破れたりすることはほとんどありません。 また、脚の血液の大半は下肢の深いところにある静脈(深部静脈)を介して心臓に戻るので、もし表在静脈が詰まったとしても、 抑えると痛んだり皮膚が赤くなったりする「表在性血栓性静脈炎」が起こる程度で、命に関わるようなことは、まずありません。 下肢静脈瘤の治療法には、「圧迫療法」「手術」があります。 圧迫療法は、起きている間は医療用の弾性ストッキングを装着し、就寝時は膝から足までを座布団2枚分高くして寝ることを繰り返します。 手術には、静脈を抜き取る「静脈抜去術」や高周波やレーザーで静脈瘤を焼いて閉じる「血管内焼灼術」があります (他に「高位結紮術」や「硬化療法」もありますが、瘤のように大きく膨らんだ下肢静脈瘤の治療には不向きです)。 これらの手術は局所麻酔で行えるもので、手術後すぐから歩行や足首の運動を行うのが安全です。 全身麻酔での手術や術後の安静はお勧めしません。 高齢者や他の病気で治療中の方には、まず弾性ストキングによる圧迫療法をお勧めします。 ただ、治療に必要な圧迫力のあるストッキングは装着するのが一苦労で、高齢者には難しい場合もあります。 日常生活では、長時間立ったり椅子に座ったりしない、時々爪先立ちや足首の運動をするなどを心掛けるとよいでしょう。 手術では、最近は血管内焼灼術が注目されていますが、この病気に対する治療に慣れている医師であれば、昔から行われている静脈抜去術も安全です。 ただ、いずれの手術法も血管を処理するものなので、高齢者や他の病気がある場合は、手術当日までに入院し、 手術翌日も術後状態をしっかり診てもらえる施設で手術を受けられるのがよいと思います。

ところで、下肢の静脈に瘤ができる病気には、下肢静脈瘤のほかに、「深部静脈血栓症」の後にできる「二次性静脈瘤」があります。 脚の血液の帰り道である深部静脈に血栓ができたために表在静脈がバイパスになるなるもので、二次性静脈瘤の場合は手術を行うべきではありません。 そのため術前には十分な検査が必要です。手術や検査は、すべて保険診療で受けられます。 静脈瘤治療の得意な外科や皮膚科で診察や検査を受け、十分に説明をお聞きになったうえで治療法を選択されるのがよいでしょう。

(この答えは、2019年4月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)




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